[霞の実家] : ある日の、事だった。
[霞の実家] : ある月が綺麗な夜の事だった。
[霞の実家] : その夜は、父さんが、私のメサイアが居なかった。
[霞の実家]
藍素霞 :
「……チッ、むっずかしいなぁ」
「アセンブル変えようかな」
[霞の実家] : 別に、父さんがいないからってどうってことはない。
[霞の実家] : どうせあの人は待っていれば帰ってくるし。
[霞の実家]
:
私はただ、明かりの付いた部屋でコントローラを握って、画面を見つめるだけ。
父さんが教えてくれた楽しい遊びで時間を潰すなら、いくらでも。
[霞の実家] : そうして過ごしていたら、突然、ドアが開いて。
[霞の実家]
藍素霞 :
「……あ」
父さんだと思って、ゲームをやめてそっちに駆け寄った。
[霞の実家] ??? : 「……やあ、初めまして」
[霞の実家]
藍素霞 :
声を聞いたときは、父さんだと思った。
でも、父さんなら初めましてなんて言わないし、隠した顔も、父さんとは違った。
[霞の実家] 藍素霞 : 「……貴方、誰ですか?」
[霞の実家] ??? : 「君のお父さんの知り合いだよ」
[霞の実家] 藍素霞 : 「……父さんの?」
[霞の実家] ??? : 「単刀直入に言うとね」
[霞の実家] ??? : 「君の父さん、もうキミ要らないって」
[霞の実家] : それを聞いた時、私らしくもなく、一瞬思考が止まった。
[霞の実家] 藍素霞 : 「それって?」
[霞の実家] ??? : 「君のお父さんはご存知の通り色々つくってワクワクしたりこわしてワクワクしてるタイプの人なんだけどさ、ボクが引くくらいのロクデナシで、次の活動の目処が立ったけど君は充分使い倒したし、次の活動からは別に必要ないしウザいから……」
[霞の実家] ??? : 「で、体良くボクに押し付けようって魂胆でさ」
[霞の実家] ??? : 「まあなんでボクに押しつけられる事になるかってそのロクデナシがボクの弟だからなんだけど、もう身内贔屓を勘定に入れても引くレベルのロクデナシだよね」
[霞の実家] 藍素霞 : 私はそれを聞いて、ギリ、と歯を鳴らす。
[霞の実家] 藍素霞 : 「貴方が誰かは知りませんが…それ以上父さんのことを悪く言わないでくれますか?」
[霞の実家] ??? : 「しょーがねーだろロクデナシなんだから」
[霞の実家] 藍素霞 : 「第一そんな事信じるわけがないでしょう。父さんが私を捨てるだなんて、ウソにしても出来が悪すぎる」
[霞の実家] ??? : 「そう言うと思ったから、あのクソバカアホンダラからの伝言は預かってきた」
[霞の実家] 藍素霞 : 半信半疑で、その男が取り出した手紙を奪い取る。
[霞の実家] 藍素霞 : 知らなければ良かった。
[霞の実家] 藍素霞 : それに書かれていたのは、受け止める事が出来ない現実で。
[霞の実家] ??? : 「どう?信じた?」
[霞の実家] 藍素霞 : そして、私に状況を受け入れさせるには充分だった。
[霞の実家]
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[霞の実家]
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[霞の実家]
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[霞の実家] ??? : 「予定通りです」
[霞の実家] キャップ : 「A-2500号、仮称・藍素霞はRBで預かります」
[霞の実家]
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[霞の実家]
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[霞の実家] : 現在
[霞の実家] キャップ : 「スミちゃん、温泉旅行当たったんだけど」
[霞の実家] 藍素霞 : 「マジ?」
[霞の実家] キャップ : 「行くでしょ、温泉」
[霞の実家]
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